最近、テレビCMについて思うこと

最終更新: 2019年11月29日



筆者の経験談ですが、広告媒体者のテレビ局の相談にかなり苦戦したことを思い出します。平成16年頃食品広告規制ができたばかりの当時、健康増進法誇大表示規制は媒体者にも責任ありと打ち出したため、毎日、相談の電話がならない日はないほど、その関心の高さを感じたものです。当時は事例も少なく、行政の判断は相談者のよすがになったように思います。


当時、某大手メーカーのCMでテレビ局、広告代理店を巻き込み、筆者の指導がなかなか受け入れてもらえない事例がありました。詳細は省きますが、広告規制の基本中の基本「健康保持増進効果」とは何かについて筆者の説明と事業者の主張がかみ合わないのです。しかし、そのメーカーの影響力は大きく、中小の企業も模倣するほどですから、筆者も必死でした。地方厚生局や関係省庁へ助言を仰ぐも、しっくりと納得のいくものは得られませんでした。筆者は本件に限らず事例を重ねて方向性を導き出すしかないと考え、広告規制のイロハについてテレビ局や広告代理店、事業者等の方々と議論に議論を重ね、研さんの日々が何年も続きました。本当にお世話になりました。


最近、テレビCMを見ておりましたところ、ある変化に気が付きました。例の某大手メーカーのテレビCMの内容が大きく変遷していてすっきりとしていました。テレビ局のご苦労も察しながら、それは、驚きと同時に衝撃でした。(あのメーカーさん、分かってくださったのでしょうか…)涙が出そうなくらい嬉しかった、というと大げさですが、時間はかかりましたが筆者の解釈が10数年を経て「ご理解いただいた」ことを示しているようで、有難くもあり、長年の労苦が報われた気持ちになりました。


現在の広告の環境は当時とはずいぶん変わりました。景品表示法の食品広告規制に加え、健康増進法の指針(ガイドライン※)では、食品の虚偽誇大広告について広告の第一義的規制対象責任者は製造・販売事業者にあり、例外を除き媒体者に対し直ちに適応するものではないと明言されました。機能性表示食品制度が施行され、時代の潮流もあり、ようやく健康増進法第31条第1項誇大表示規制が浸透し、事業者の理解が深まったようにも感じますがいかがでしょうか。筆者も職場(組織)を離れ、孤軍奮闘は変わりませんが、時代は変わっても、ぶれない判断を心がけることの大切さを改めて感じた出来事でした。


※指針(ガイドライン):「食品として販売に供するものに関して行う健康保持増進効果等に関する虚偽誇大広告等の禁止及び広告等適正化のための監視指導に関する指針(ガイドライン)について」の一部改正 (消費者庁次長 平成28年3月31日)


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