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心に残るできごと

最終更新: 2019年12月25日


もうずいぶん前のことですが、筆者が保健所に勤務ていたときのできごとです。

たまたま新任の担当者が「変えなくていいラベルを変えさせる」という、あってはならない誤認指導をしたことが発覚し、後始末を筆者が担当したときの話です。詳細は省きますが、時間を忘れて資料を揃え、顧問弁護士に助言を仰ぎ、多少の覚悟はしたものの、上司の尽力もあり、結果、問題は無事に解決しました。筆者はどうして円満に解決できたのか、自分なりに考えてみました。あくまでも筆者個人の解釈です。


相談を担う者は日頃から相談者と向き合い、親身になって話を聞き、一緒に考え、悩み、調べ、答えを探します。これは保健所の管理栄養士としての基本中の基本である「保健指導」の姿です。その対象は、赤ちゃんを抱え食事に悩む母親、糖尿病や高血圧など生活習慣病等の食事相談に訪れる区民、社員食堂の給食管理で悩む栄養士など様々です。もちろん食品事業者も例外ではありません。


問題の件で筆者は相手方事業者に納得いただくまで何度も本社に出向き、丁寧に説明を重ねました。この事件が円満に解決した要因のひとつには、長年培ってきた人と人とのつながりを大切にした保健指導の姿勢が、筆者と相手方、双方の心のねじれを防いだのではないかと思いました。そしてその結果、この問題は損害賠償等の訴訟に発展することなく終息しました。筆者は相手方への申し訳なさと無事に解決したことの安堵で胸を熱くしたことを今でも忘れられません。

その後、職場では問題の徹底究明と関係省庁へ助言を仰ぎ、食品表示広告指導体制を強化し、指導体制が整えられたことは言うまでも有りません。


事業者のスキルは様々です。それだけに保健指導の姿勢は相手の立場に立つことから始まります。行政の管理栄養士は法解釈を深めることは基より、この技術を磨いて保健指導のあるべき姿を築きあげ、事業者への改善指導に対応して頂きたいと念願します。そうすることが、安心して食品を選択する消費者を守ることにつながると考えます。